――まずはNHK連続テレビ小説『半分、青い。』に出演が決まった時の気持ちを教えてください
最初は実感がなかったですね。もちろんオーディションには受かりたかったけど、本当に受かるとは思っていませんでした。受かったと聞いた時もまさかヒロインの弟役だとは思わず。話が進んで行くにつれて「どうやらこれは大変な事になっているぞ」と思いました(笑)。
――周りからの反響も大きかったのでは?
友達から連絡が来ましたね。家族はすごく笑っていました。「お前が!?」みたいな感じで。

――今回上村さんが演じるヒロイン鈴愛(すずめ)の弟・楡野草太はどんな役どころでしょう
にぎやかな家族の中では大人しい、あまり自己主張はないんですけどすごく優しい役です。高校生からを演じさせていただいたんですけど、「高校生ってこんなに空気読めたっけ?」と思いました。出来た男だと思います。
――これまでミュージカル『テニスの王子様3rdシーズン』を始め、舞台での活躍も多い上村さん。NHK連続テレビ小説という幅広い年代層の方が観る作品にあたって、どのような役作りをしましたか?
脚本家の北川悦吏子さんから、普段の草太にとても似ているって言われたんですね。なので逆になにか新しい事をやらない方がいいのかなと思ってベースは自分のままで、“草太だったらどうするかな”と考えたことを混ぜつつ演じています。これがもし自分とはかけ離れた役だったら「こう役作りしました」と言えるんですけど、似ていると言ってもらえると逆にどうするのがベストなのか探り探りです。最近舞台が多かったので、映像のお芝居って難しいなって思うことが多いですね。
――北川さんから「草太と似ている」と言われたことで、意識したところはどこでしょう
お芝居が暗くなりがちだったのでそこを気にするようになりました。今まで気にしなかったというか気付かなかったんですけど、ここ最近言われることが多くて……(笑)。普段の自分より明るめにというのは意識するようになりました。
――印象に残っているエピソードはありますか?
撮影の合間の話ですが、皆さんと「近くのご飯屋さんはどこが美味しい」とか「この筋トレがいいらしい」だとか、ずっととりとめもない話をしています(笑)。最初は大先輩の方々とご一緒させていただいてガチガチでしたが、そういったコミュニケーションのおかげで緊張がほぐれました。中村雅俊さんは大先輩で凄く長くこのお仕事をされている方なので「昔はこうだったんだよ」と、いろいろ教えていただいたり。

――ヒロインの永野芽郁さんの印象は?
そのまんまですね。カメラが回っていてもいなくても“鈴愛だな”って感じがします。
――草太は優しくて空気が読めると言っていましたが上村さんご自身と共通する部分はありますか?
僕自身は石橋を叩いて渡るタイプで、草太もそんな感じだろうなって。鈴愛が猪突猛進な感じだから、それに比べて草太は先のことを気にしながら進むタイプだと思っています。そういうところはすごく似ているんじゃないかなと思います。
――なるほど。慎重な草太は思い立ったら即実行の鈴愛とは正反対の性格ですが、弟の視点からみて鈴愛はどんな人物ですか?
鈴愛はとにかく危なっかしいんです。「ええ!?急にそんなこと言いだす?」みたいなところがあってハラハラしていますね。自分がちゃんと見ていないと、この人は何をしでかすか分からん!という思いがあるので目が離せないです。