――この舞台を通じて、ご自身にとってどんな経験を得られそうだなと思いますか?
今まではカメラの向こうに相手がいる、という状態を想像して演技をしていたんですけど、舞台では来てくださったお客様も意識しなければいけないので、全体的な動作の大きさや感情をストレートに伝えることと、舞台の独特なテンポと間合いの感覚を学ぶことで、お芝居の幅がより広がるのではないかなと思っています。
映像作品とはまた違って、舞台は一つの役に対して試行錯誤しながら、稽古の時に試したいことも挑戦出来て、時間をかけて深く役と向き合えるのが素敵だなと感じています。キャストの皆さんもすごく優しくて、初めての舞台がこのカンパニーで良かったですし、自分にとってすごい財産になる作品になるなって思っています。
――黒崎さんが思う舞台の見どころを教えてください
大学4年生という人生の分岐点にいる登場人物たちの日常の中で、抱えている悩みとか人との出会いを通じて揺れ動く心情の変化が各シーンで強く描かれています。人に対しての好意や嫉妬とか色々な感情に、誰もがどこか共感出来るような作品になっているかと思います。あとは美大生ということでスプレーとかを使って絵を描くシーンもあるんですけど、そこで流れる音楽も一緒に、目と耳で楽しめるような面白い演出になっているので、楽しみにしてください。

――ここからは黒崎さんご自身についてお伺いします。これまで様々な作品に出演されていますが、印象に残っている作品は?
デビュー作がドラマ『ハガネの女 season2』だったんですけど、初めて演じたのが国外退去させられてしまう女の子役でした。
――デビュー作からかなりハードな役柄ですね
初めて撮影したのが自分の目の前で両親が国外退去させられてしまうシーンで、感情を作るのが難しかったのを覚えています。最初の方はクラスの皆からいじめられているような心苦しいシーンも多かったんですけど、途中から皆が一つになって自分を迎え入れてくれて、でも国外退去の期間が迫っているからお別れしなきゃいけないっていう寂しさで、すごく演じるのが難しかった思い出があります。でも何も知らない状態の私に皆さんが色んなことを教えてくださって、全てが新鮮に感じる現場でした。
――元々芸能界に興味はあったんですか?
ドラマや映画を見ることが好きで、興味はありました。メイキング映像を見て、同じシーンでも何回も撮影して大変そうだな、と感じていたんですけど、私もお芝居の世界に挑戦してみたいなと思いました。
――目標としている女優さんはいらっしゃいますか?
二階堂ふみさんがすごく好きです。以前二階堂さんが出演されていた『Woman』を見て、存在感に圧倒されました。自分の個性をしっかり持っている方で、憧れです。
――最近ハマっていることは?
好きなものや気になるものの動画をよく見ています!食器類やガラス製品を見るのが好きで、各地の食器やガラスで出来たアクセサリーの動画を見ていました(笑)。あとは生物の生態を紹介している動画とか……。よく動画サイトで生物の生態を見ています。
――動画の振り幅がすごいですね(笑)。なぜ生物の生態を?
深海魚とか昆虫とかの生態は普段は見ることが出来ないじゃないですか。どうやってご飯食べてるんだろうとかが気になって見ちゃいますね。
――黒崎さんのオススメの生物はいますか?
います!!……でもこれを言うと引かれちゃうかもしれないんですけど、スズメバチの生態をすごく見ちゃうんですよ! 種類ごとに紹介している方がいるんですよ。種類によって独自のルールが決まっていて、単純に生きているのかと思いきや個々のパーソナルがしっかりしていて、面白いなって思いました。
――今後挑戦してみたいお仕事は?
今回初めて舞台に出演して、世界観がすごく素敵だなと思ったのでもっと色んな舞台に出演してみたいです。あと、今までは高校生役を演じることが多かったので会社員とか先生とか、幅広い役に挑戦したいです。
――ありがとうございます。では最後にファンの方々にメッセージをお願いします
舞台『染、色』は私の初舞台作品となります。すごく見ごたえのある、皆さんに寄り添える素敵な作品なので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらなと思います。そして、これからも応援をよろしくお願いします!


カメラ:秋葉巧、ヘアメイク:石川茜、取材:村松千晶