――そして6月18日に公開される映画『ショコラの魔法』へも出演されますが、こちらは少女漫画原作の作品となっています
お話をいただくまで原作を知らなかったんですけど、『ちゃお』で連載されていた少女漫画と聞いて、『ちゃお』って可愛らしい印象があり絵柄も可愛いタッチの作品だったので、可愛い系のお話なんだ!と思って読んでみたら結構ドロドロしていてめちゃくちゃ怖くて。お話をいただいた時の第一印象と読んでみたギャップがすごかったです。
――綱さんが演じるカカオ・テオブロマは謎が多い役ですね
名前の癖が強すぎるなと思いました(笑)。でも役について調べてみたらすごくかっこいい感じで、演じるのが楽しみでした。白髪はどうするんだろう?って思ったらウィッグで。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』から応援してくださっているファンの方からは「また派手髪」とか「綱くんってそういう役が多いんだね」ってリアクションがありました。
――実際に演じてみた感想は?
正直難しかったですね。漫画も読んで、役についてたくさん調べたんですけど、キザでかっこいい役なのでかっこよく演じなきゃいけないなと思いました。ネットには「冷たい目つき」とも書かれていて、僕自身はどちらかというと温かい雰囲気と言われることが多いので、簡単なところだと少し目を細めてみたり、キザでかっこよくみせられるように意識して演じていました。
――撮影現場での思い出は?
同世代のキャストの方が多かったので仲良くなれて、しかもオールアップに立ち会えたのはすごく嬉しかったです。
あとは黒猫から人間へ変わるシーンの撮影があって、そこはCGを使うのではなく上手くカメラワークで変わる様を撮ったんですけど、その時に猫ちゃんが飼い主さんの言うことを聞かなくて1時間くらい撮影に時間がかかっちゃって。動物と一緒に撮影したのは初めてだったので、良い経験になりました。
――作品のタイトルにちなみまして、チョコレートに関するエピソードはありますか?
バレンタインで超モテたエピソードとかあれば良いんですけど……ないんですよね(笑)。でも高校生の時のバレンタインって、友達と個数で争ったりするじゃないですか。僕の高校では、個別にあげるんじゃなくて色んな人にあげるよってスタンスの女の子が多くて、作ったチョコレートを箱にいっぱい入れて色んな人にあげていたので、色んなクラスを回って全部もらって、個数を競ってました(笑)
――綱さんから見たこの映画の見どころを教えてください
可愛い少女漫画原作ですけど、人間のドロドロした部分もあったりして、子どもから大人まで楽しめる作品になっています。役としては久々のウィッグで、初めてカラコンも付けたんですよ!すごい格好をしているのでビジュアルにも注目していただきたいです。
あとは個人的なところで言うと、あおい(川口葵さん)と共演しているので、『恋オオカミ(ABEMA「恋とオオカミには騙されない」)』ファンの方は絶対見てください!(笑)

――ここからは綱さんご自身について伺います。ドラマや映画、舞台と活躍の幅が広がってきていますが、デビュー当時と比べてお芝居への向き合い方に変化はありましたか?
さすがに変わりましたね。最初の頃は正直お芝居が嫌いだったんです。レッスンでしかやっていなくて楽しくもなかったし、怒られても何が違うか分からなくて「今何してるんだろう……」みたいな感じで、お芝居に対してプラスの気持ちが一ミリもなくて。でも色んな作品を積み重ねて、一つの物語を皆で作る楽しさというか、そこに一人の役者として入れることに楽しさを覚えました。演じることももちろんですが、僕の中では作品作りをすることに対して楽しさを覚えたのが大きかったです。だから以前に比べて台本を読む回数も増えました。
――どの作品がポイントになったんでしょうか?
やっぱり『リュウソウジャー』ですね。1年間撮影していたことは大きかったですし、初めてメインキャストに選ばれたからこそ、自分が作品のうちの一人になっているっていう意識が芽生えて、そこからお芝居への向き合い方が変わりました。
――最近では『恋とオオカミには騙されない』が話題になりましたが、振り返ってみて『恋オオカミ』はどのような時間でしたか?
めっちゃ良い時間でしたね。思い出しかないです。
――反響も大きかったのではないでしょうか
大きかったですね。今まで出演した作品を見てくれている友だちもいましたけど、『恋オオカミ』はこれまで以上に見てくれた友だちが多くて、SNSもそうですけど、若い世代の方がたくさん見ていたんだなって実感がありました。僕自身も前のシリーズは見ていたので、出演出来たことは嬉しかったです。自分の恋愛を見せるのは最初は抵抗しかなかったんですけど、途中からはもう「見て見て!」って感じで(笑)
――本気で楽しんで、恋愛している姿が伝わっていました
俳優って素の自分を見せることがほとんどなくて、舞台挨拶とかでもどこか繕っている部分があるから完全な素を見せるっていうのはなかったんですけど、『恋オオカミ』で素を見せられたというのはこれからの俳優人生の中で結構良い経験になったのかなって思っています。
――最近ハマっていることはありますか?
ギターを弾いています。『恋オオカミ』に出演する時に「主題歌のあいみょんさんの『桜が降る夜は』を弾き語りします」って宣言して、そこから練習し始めたんですけど毎日のように弾いています。最近はアルペジオを練習中です。
――先日、インスタライブで披露されていましたね
そうなんです!でも週一で動画を載せるって言ってたのにそこは有言実行出来てないんですけど(笑)
――ギターの演奏は誰かに教えてもらったりしたんですか?
独学です。高校の時にちょっとだけギターの教室に通っていたので、その時の知識がまだ残っていたので出来ました。
――今後お仕事で挑戦したいことは?
基本的には目の前の仕事を全力でやるっていうスタンスでいるので、特別これがやりたいっていうのはないんです。でもこの世界に入ったからこそ、この世界でしか出来ないことをしたくて。俳優って軸はぶらしたくないんですけど、他のことにも挑戦してみたいっていう気持ちが芽生えてます。最近だと、事務所の後輩の加藤大悟くんと歌を歌う機会もあってすごく楽しかったんです。他にも楽しいことはたくさんあると思うので、今は何が出来るのか模索中です。
――プライベートで挑戦したいことは?
服を買いたいです。ちょっと高い服を買うっていう挑戦です(笑)。出かける機会が無くなっちゃって服を買えていないので、コロナが落ち着いたら友だちと都内をふらふらしながら、贅沢な買い物をしたいです。
――最後にファンの方々へのメッセージをお願いします
いつも応援ありがとうございます!『恋オオカミ』で知ってくれた方が増えて、以前から応援してくださっている方から「遠くなって寂しい」って声をいただくこともありますが、全然そんなことはなくて、何も変わってないです(笑)。以前から応援してくださっている方にはとても感謝していますし、新しくファンになってくださった方のことも大事にしていきますし、何も気にせず応援していただきたいなって思います。あとは最近まで恋愛をしている姿を見ていただいていましたが、僕は俳優なのでこれからは応援していただいた分、色んな役を通して恩返し出来たらと思っています。
コロナ禍なのでなかなか会える機会が作れませんが、いつかイベントとか出来る時があれば、ぜひ来ていただきたいです。それまではインスタライブやSNSで寂しさを補えるように更新していきます。これからもよろしくお願いします!


カメラ:秋葉巧、ヘアメイク:石川茜、取材:村松千晶