――ここからは畑さんについてお伺いします。前回のインタビュー出演から5年が経ちましたが、この5年でご自身に変化を感じる部分はありますか?
少しだけ自信が出たと思います。当時はお芝居とか褒めていただいても、そんなことないよ、って感じに思ってしまっていたんですけど、自分のお芝居とか声とか容姿とか、自分はこうでいいんだって自分の存在に少し自信がついてきたので、ネガティブになる時間が少なくなってきたかなと思います。まだまだ悩んだり考えてしまう時間はありますけど、当時よりかは少し自分に自信が持てるようになりました。
――自信が持てるようになったきっかけの作品はありますか?
『女子高生の無駄づかい』というドラマに出演させていただいて、オーディションで選考していただいたんですけど、その時に「ロリ役は芽育ちゃんしか出来ないと思った」とプロデューサーさんやスタッフさんにおっしゃっていただいた時に、すごく認められた気がして嬉しかったです。レギュラーとして同世代の方々と1クールのドラマを一緒に撮影していく中で、皆さんから学ぶものもたくさんありましたし、自分の中でも作品に携わるという大きなやりがいを見つけたような気がして、そこで気持ちが出来上がったのかなって思います。
――近年では仮面ライダー作品や大河ドラマへの出演など、作品ジャンルの幅も広がり、色んな作品に挑戦されている印象があります。初めての仮面ライダー作品はどうでしたか?
仮面ライダーは結構照れました……(笑)
――そうだったんですか(笑)。キャラクターとしてもかなり特徴的でしたね
ゴスロリの格好で、カラコンをしたり金髪のツインテールのカツラをかぶったりしていて、映画を見に行ってくださった方から「最初芽育ちゃんがどこに出ているか全然分からなかった」ってコメントをいただきました。でも、何が一番照れたかというと、変身のシーンが……。今までお芝居をしていて照れたことは全然無かったんです。何でも出来るって感じだったんですけど、「変身!」っていうあのたった4文字がなかなか自信を持って言えなくて、役者人生の中で悔しい部分でした。もっともっとかっこよく言えたら良かったのに、という後悔があります。でも、撮影はすごく楽しかったです。

――そして大河ドラマ『青天を衝け』に尾高ゆう役で出演されていました。大河ドラマの撮影はいかがでしたか?
他の作品と空気感が全然違いましたね。やっぱり佇まいが違うというか……。大河ドラマって毎週リハーサルがあってから撮影に挑むんですけど、リハーサルで初めて皆さんとお会いして、実際に作品で絡むシーンがない方ともお会いするのでご挨拶するんですけど、どうやってご挨拶したら良いか、私なんかが喋りかけていいのかなっていう葛藤もあって、本当に緊張していたんですけど、そんな緊張する必要がないぐらい皆さん温かくて、優しい方ばかりでした。リハーサルも無事に終わって、いざ撮影ってなった時も、和久井(映見)さんが和装姿の私を見て「すごく着物が似合いますね」って褒めてくださったり、私が想像していたよりも和気あいあいとしていて、温かくゆっくり進む現場でした。
――確かに大河ドラマって聞くと構えちゃいますよね
構えていたんですけど、昔の時代を生きる人間を演じることがものすごく楽しめました。勉強になる部分もたくさんありましたし、何よりも和服を着てお芝居をする上での所作指導とかが、自分自身にすごく活きたと振り返ってみて思います。こんなことを言ったら最後みたいな言い方になるので嫌なんですけど、本当に貴重な体験をさせていただきました。またいつか大河ドラマに出られたら良いなと思っています。
――ちなみに、休日はどのように過ごしていますか?
とてもインドアなんです。コロナ禍とはあまり関係なく元から超インドアで、暑いのも寒いのも嫌いなんです(笑)
――どこにも行けないですね(笑)
そうなんですよ!だからお家が大好きです。寝たり、ゆっくり映画を見たりドラマを見たりするのが至福のひと時です。仕事が詰まっている時があると、週末の休みの時にお家で何するかを考えながら乗り切っています。
――映画やドラマで好きな作品はありますか?
最近はもっぱら『ペーパー・ハウス』を見ています。マネージャーさんにオススメしてもらった、Netflixにあるスペインのドラマで強盗の話なんですけど、すごく面白いです。しかもお話は長いんですけど、テンポ感が良くてどんどん見進められるので、いつの間にか夜になってる時もあります(笑)
――いくつかシーズンがあるんですね
そうなんです。シーズン1で造幣局を乗っ取りに行くんですけど、その後は銀行に行ったり、色んなところに強盗に入るんです。しかも上手いこと捕まらないんです。仲間も加わっていって、全然飽きません。面白いです!
――現在19歳の畑さん。4月に20歳を迎えますが、10代のうちにやっておきたいことはありますか?
今はとにかく振袖を決めなきゃって思っていて(笑)。周りの友だちが早くて、もう決めているんです。私は何も準備してなかったんですけど、「芽育遅いよ!」って周りに怒られて。「人気の振袖は全部取られちゃうから、早く予約しないと芽育が着たい振袖無くなっちゃうよ!」って言われたのでこの間急いでカタログ取り寄せて、せめて年始ぐらいには振袖を決めて、前撮りの日程もちゃんと決めて、準備しなきゃなって。本当に現実的ですけど、振袖早く決めなきゃなって思っています。
――20歳になり、これからどんな女優になりたいですか?
いつも言っていることなんですけど、また見たいって思ってもらえる女優さんになりたいです。1歳から仕事をしてきて、別にすごくたくさん仕事をしてきたわけでもないんですけど、色んな現場に行って、色んな人と共演して、素晴らしい役者さんもたくさん見てきているので、そういう方々の背中を追っていきたいと思いますし、監督さんやキャストの方もそうですけど、またこの人とお芝居したいとか、この人を作品に起用したいと思ってもらえるように、現場での居方とか作品に対しての姿勢はより一層高めていきたいなと思います。一生勉強していく仕事だと思うので、その姿勢はずっと忘れずにいたいです。
――今後挑戦してみたいお仕事は?
ラジオをやってみたいです!好きなことの話を一人で黙々とするのも好きだし、誰かに聞いてもらったり、その手の分野の方とお話して、もっと自分の中に取り入れたりしたいです。例えば映画とかすごく好きなので、映画の話で評論家の方と話してみたいなとも思いますし、シンプルに自分の好きな映画をプレゼンするのも良いなと思います。私、ハライチさんのラジオが好きでよく聞いているんです。お二人は芸人さんなのでテイストが違うと思うんですけど、ああやってお喋りで人を楽しませるってすごく素敵なので、私もいつかそういう機会があれば良いなと思っています。
――最後にファンの方々へのメッセージをお願いします
いつもSNSや、作品を見て応援してくださるファンの方々に本当に支えられて生きているなと実感しています。来年20歳になりますが、これからも畑芽育の成長を見守ってくださると嬉しいです。あと、何か機会があれば皆さんとお会いすることが出来たら良いな、なんて密かに思っているので、もしご要望があれば、研音のサイトにリクエストを送ってください(笑)。これからもよろしくお願いします。


カメラ:秋葉巧、ヘアメイク:石川茜、文:村松千晶