――デビューのきっかけは?
幼稚園くらいから女優さんに憧れていたんです。でも、小さい頃は色々な職業に憧れて、コロコロ変わるんですよね(笑)。私もお花屋さんとか色々なりたいものがあったんですけど、女優さんのお仕事はずっと頭の中にあって。小学校高学年くらいに、母親(=多岐川裕美さん)に話したら、「三日坊主だし、飽きっぽいんだから無理よ。大変な世界なんだから。」と言われ、ずっと反対されていたんです。でも、中学3年生の時にやっと「あなたの人生なんだから、好きなようにやりなさい。」と言ってくれました。それから、事務所の方に面接をしてもらい、所属することになったんです。
――長い間、女優さんに憧れていたんですね。芸能界に入るということで、お友達はびっくりされたんじゃないですか?
私の周りの友達も、芸能界に入っているコが多かったので、凄くびっくりされたということはありませんでした。友達も「よかったね、一緒に頑張ろう!」という感じで、応援してくれました。

――今まで、お仕事をされてきて大変だったことはなんですか?
私は、何事に対しても短期集中型で(笑)。CMのお仕事なら、だいたい1日で撮り終わるから問題はないんですけど、写真集や映画は、何日も泊りがけで撮るので・・・結構、苦手意識があるんです。家にも帰れないし、“この日からこの日まで仕事!”と決められると『うわぁ・・・』って(笑)。
――逆にやっていて良かったなと思うことは?
出来上がった作品を見た時ですね。大変な思いをして出来上がったものを見たときに『やってよかった!またやりたいな。』と活力に変わるんです。
――写真集・DVDをリリースし、CMにも出演されていますが、10月7日公開映画『旅の贈りもの―0:00発』でスクリーンデビューも果たされますね。決まった時のご感想は?
ずっと実感が湧かなかったんです。台本をもらって台詞も覚えているんですけど、頭の片隅では「本当に撮影するのかなぁ。」って(笑)。ロケ地に入り、撮影現場でスタッフさんやキャストの方とお会いして、やっと実感が湧いてきました。
――読者の方はどんなストーリーなのか、多岐川さんの役どころも気になっていると思うので、簡単に教えて頂けますか?
年齢も生活環境もバラバラで、それぞれストレスや悩みを持った5人の男女が、0:00に大阪から出発する行き先不明の列車に乗り込み、旅に出るんです。行き着いた場所は“風町”という何もない田舎で、最初は退屈な所だなと思うんですが、地元の人の優しさや温かさに触れて、皆が何かを得ていくというストーリーになっています。私の役どころは、私の名前と同じ“華子”という女子高生で・・・自殺願望を持つ、性格の捻くれた女のコの役なんですよ。

――拝見したんですけど、映画の一部分だけ観ると“華子”は本当にイヤなコなんですよね(笑)。役作りが大変だったのでは?
演技自体が初めてで、役作りもどうしたらいいのか分からなかったんです。何度も台本を読んで、言動を考えて演じていたんですけど・・・気がついたら私の普段の生活まで、“華子”に近づいてしまって(苦笑)。傍に、友達がいなくて本当に良かったと思います(笑)。
――本当ですか(笑)?
似てきちゃったんですよ。一緒にいた周りの方にも迷惑をかけたんじゃないかな・・・(笑)。
――逆に、役づくりは完璧だったということですよね!?
困りますけどね(笑)。
――お母さんからアドバイスはもらったのですか?
ほとんどなかったですが、「とにかく、頑張りなさい。」と細かいことは言わずに、見守ってくれてました。