――お仕事の話に戻りますが、年明けには舞台『六番目の小夜子』に出演されていました。公演を振り返っての感想を教えてください
公演が終わって数日経って、この間にも違う現場があったりしたので、終わった直後の感想とは少し変わってきているんですけど、総じて楽しかったなと思います。でもこの楽しかったの中には、悲しい悔しいとか、そういう想いも含まれた楽しかったなので、完全にポジティブではなかったかなと思います。
――その悲しさ、悔しさは何を思ってそう感じられたのでしょうか
色々要因はあるんですけど、例えば去年は5、6本舞台に出演させていただいて、しっかりメインキャストで出ていたんですけど、『六番目の小夜子』もメインキャストではあったんですが一人一人でメッセージを伝えるというより、チームで一つのメッセージを伝える感じだったので、他の作品と比べたら出番が少なかったと言いますか、もっともっと出たいっていう想いがあって悔しさがありました。あとは、役者さんって役によってプライベートの関係値も形成されていくところがあると思っていて、例えば仲良し三人組だったら、その三人は必然的に仲良くなる気がしているんです。でも、僕が演じた役が物語的にちょっと孤立していたところがあって、だから稽古場でもちょっとなかなか一歩踏み込めないような感じだったのが、稽古期間は少ししんどい時間でもありました。
――内に秘めている時間が多かったんですね
自分でずっと悶々とする時間が多かったです。
――稽古期間を経て、仲良くなった共演者の方はいらっしゃいましたか?
現場に入ってからは、割とみんな体に役が馴染んで力が抜けていて、毎日仲の良さが深まっていきました。特に男子楽屋では、高橋健介くんが色々教えてくれたり買ってくれたりして、すごく良くしてもらいました。

――そして『エチュードワールドスター』にも出演。こちらは台本無しのお芝居ということで難しさがあったと思いますが、やってみていかがでしたか?
台本に正解がないじゃないですか。だからやっていて何も分からないっていう印象でした。普通のお芝居とは違って、エチュードはもぐら叩きをやっているような感覚で、どこから何が出てくるか分からなくて、でも出てきたらすぐ叩かなきゃいけない、みたいで難しかったです。
――エチュードを経験して得られたものはありましたか?
ちょっと考えれば分かりそうなのであまり言いたくないんですけど……対応力ですかね。前よりは少し身についたかなと思います。
――3月4日には映画『MANKAI MOVIE「A3!」』が公開になります。飛葉さんも出演されていますが、現場の雰囲気はどうでしたか?
特殊な現場でした。普段は2.5次元の舞台で活躍されている方たちが、芝居のスケール感やキャラクター感をそのままに映画に出演しているっていうのが、僕が普段映画では見ない空気感や光景だったので、新鮮でした。
――現場で印象に残っているエピソードは?
陳内将さん(皇天馬役)も出演されているんですけど、陣内さんとは一緒に舞台に出演していたこともあって、現場で「飛葉ちゃん!」って声かけてくださったのが印象に残っています。忘れずにいてくれたのがすごく嬉しかったです。
――映画の楽しみにしてほしいポイントがあれば教えてください
前にも言いましたが、2.5次元のスケール感が映画のスクリーンを通して映るというのが、どういう風にマッチするのかを楽しんでいただきたいです。きっと見たことのないエンターテインメントになるのではないかと思います。
――今後、演じてみたい役柄や作品はありますか?
僕、格闘技がすごく好きなんですよ。いくつか好きな試合があるんですけど、バスター・ダグラスとマイク・タイソンの試合が動物的というか、絶対負けない人と言われていたタイソンとアンダードッグのダグラスが10ラウンドまで互角に戦って、最後にタイソンがKOをもらったんです。その時にタイソンのマウスガードがポンって口から外れて、ほぼ意識がない状態でマウスガードを探して、咥えるけど上手く咥えられなかったっていう……あれをやりたいなって思いました!突然感がすごいんですけど(笑)
――どこに魅力を感じたんでしょうか?
野性的で本能的な男ってかっこいいですし、きっとハートフルな話になると思うので、そういう作品に興味があります。
――最後にファンの方へのメッセージをお願いします
25歳が終わる日までに売れるって言っているんですけど、絶対にそれを実現しようと思っているので、これからも付いてきていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。


カメラ:秋葉巧、ヘアメイク:石川茜、文:村松千晶