――キャストの方々も錚々たるメンバーですが、現場はいかがでしたか?
僕やキョンジャ役の中村ゆりさんがきつくなっている時は、控え室に戻ると何気なく元気付けてくれて、それが本当の家族のような繋がりになっていきました。チャンス(=今井悠貴)は来れなかったのですが、最後にアンソン一家でご飯を食べに行き、風間さんから「お前ら、よう耐えたな。」と言われたんです。その言葉が、俳優・風間杜夫さんの言葉というより、おじさんの“ビョンチャン”から言われたように聞こえて。本当の家族のように一つになって、一つの作品を作り上げたんだなと思いました。
――チャンスくんがまた凄く可愛いんですよね。
可愛いでしょう!?本当に、卑怯なくらい可愛いんですよ(笑)。撮影中はチャンスにも助けられました。映画館での乱闘シーンがあるんですが、僕がなかなか監督の言っている演技が出来なくて、映画館の椅子にもたれ掛かって座っていたんです。そうしたらチャンスがスーッとやってきて、おでことおでこをくっつけて「アボジ(=お父さん)、頑張って!」って。その時に、「俺はコイツのために闘ってるんだ。」と改めて気持ちが入りました。
――その乱闘シーンも迫力がありました。
土平ドンペイさん演じる銀閣との乱闘シーンで、本当はお腹を殴らなくちゃいけないのに顔面を殴って失神させてしまったり、“パッチギ”する場面で本当に当ててしまいドンペイさんの額が5cmくらい切れてしまって救急車に運ばれたりもしました。でも、ドンペイさんは次のシーンもあるので、医療用のホッチキスで額を止めて絆創膏を貼ってメイクして、現場に帰ってきたと思ったらまた看板でガンガン殴られたり、消火器を浴びたり(苦笑)。僕も、何度か倒れそうになったんですが「アンソンはこんなところでは倒れない!自分だけが辛いわけじゃない!」と思いながら演じました。

――リアルですね・・・。
監督が求めているのはリアルなものなので、痛そうに見えないとダメなんです。あのシーンはワンカットで撮っているので、皆フラフラになりながらやっていました。
――その迫力が観客の方にも伝わると?
じゃないと、もぅ(笑)。そのために頑張ったので、迫力があると思います!
――この作品の見所を教えてください。
アンソン一家がチャンスという子供の命を守るためにどんな壁にぶち当たり、どう生き抜いていくのかを観ていただきたいです。アンソンであったり、キョンジャであったり、チャンスであったり・・・いろいろな視点から観られるし、自分の大切な人は誰なのか気付かされる作品だと思います。
――どんな方たちに観てもらいたいですか?
皆さんに観て頂きたいんですが、自分と同じ若い世代の方には特に観て頂きたいです。普段だと、自分の出ている作品を友達に勧めるのは気恥ずかしくて、なかなか言えないんですけど、この作品は是非観て頂きたいです。

――今後挑戦したい役は?
いろいろな役にチャレンジしていきたいですね。井坂俊哉にこの役をやらしたら面白くなるんじゃないかと思われる役者になりたいので、あえて役柄は決めずに色々な役を演じていきたいです。もしかしたら、今度は『ハンニバル』のレクター博士みたいな役かもしれないですし(笑)。
――プライベートで挑戦したいことは?
怒られるかな・・・スカイダイビング(笑)!(マネージャーさん、首を振る)
――(笑)!ダメみたいですね。
プライベートでも色々挑戦したいです。その精神は変わってなくて、目的を決めてしまわないでチャンスがあればいろんな物や人と接して、自分がどう反応するのか見ていきたいです。最初は職探しのつもりで色々な仕事に就いたんですが、今となっては役に繋がったこともあるので良い経験になっているし、今後も役の幅を広げられるようにもっとチャレンジしていこうと思っています。
――最後にファンのへ一言お願いします。
5月19日から映画『パッチギ!LOVE&PEACE』が公開になります。皆の心にすんなりと入ってくる作品になってると思います。アンソン一家の生き様を心で受け止めてください!よろしくお願いします。