――デビューのきっかけは?
小さい頃、父と一緒にフランス映画をよく観ていて「映画に出たい!」と思ったことがきっかけでした。それで、劇団に入りある番組のエキストラとして観客で参加していた時に、今の事務所(ホリプロ)の方に声をかけて頂きました。
――お父さんやお母さんも応援してくれていたんですね。
そうですね。私がやりたいと思ったことだったし、大変なのは両親も分かっていたと思うんですが反対はせずに応援してくれました。
――最初のお仕事のことは憶えていらっしゃいますか?
劇団の時に、道徳の番組に出ました(笑)。あと、劇団に入る前に父の知り合いの方の関係で、歌を歌ってCDを作ったこともあります。
――小さいころから、人前に出るのが好きだったんですね。
でも、もう恥ずかしいくらい!男のコと一緒に歌ったんですけど、よくCDに出来たなぁって(笑)。

――今まで色々なお仕事をされてきたと思いますが、辛かったことはありますか?
そうですね・・・、“風邪をひいて”とかじゃないですよね(笑)。
――肉体的にとか、精神的に辛かったということは?
たまに気分が落ち込んだりすることもありますけど、なるべくそうならないように気をつけてます。
――自分でコントロールされてるんですか?その秘訣は?
衣食住には気をつけてます。食べるものは出来るだけ自分で作ったものにして・・・、お稽古の時もお弁当を持ってきたりしています。それと、家では心地よい香を焚いたり。最近好きなのは、家に帰ってきたら一番好きな部屋着を着て、薄暗くした部屋で映画を観ながらワインを飲んだり、お風呂に入って雑誌を読んだりするのが大好きです。
――ゆっくり自分の時間を過ごすのが秘訣と。
それを凄く大切にしています。
――仕事をしてきて良かったなぁと思う瞬間は?
気持ちよくなるとき(笑)。役を演じているとどんどん気持ちが高揚してくる瞬間があって・・・、その時にやっていて良かったなぁと思います。

――8月9日(木)から舞台『エレンディラ』が公演されますが、簡単にストーリーを教えて頂けますか?
砂漠が広がる南米コロンビアが舞台で、私が演じるエレンディラは、早くに両親を亡くし一緒に住んでいる祖母に扱き使われながら、ジャングルの奥深いところで生活をしています。ある時、エレンディラの不注意で火事を起こしてしまい、借金を抱えてしまったために娼婦としてコロンビア中を回ることになるんですが、そこで中川晃教さん演じるウリセスという美少年に出逢い恋に落ちるんです・・・。この物語はガルシア・マルケスさんの原作を舞台化したものなんですけど、舞台には本に書かれていない“その後”が描かれているので、本を読んだ方でも絶対楽しめると思います。
――娼婦役ということで、製作発表の時に「脱ぎます。」と仰っていましたが、正直なところ抵抗があったのでは?
自分が思っている以上にデリケートな問題なんだなぁと、やってみて分かる部分もありますけど、それだけがフィーチャーされる作品では全くないので。役を演じるにあたって泣いたり笑ったりすることと同じで、脱ぐことは娼婦になったエレンディラの無垢さや強さを表現する上で当たり前のことだと思っています。強さというのは、思ったことを発言して反発する強さもありますけど、エレンディラのように受け止めることも強さだと思うし、無垢だからこそ、祖母の言う通りに無抵抗で体を曝け出すんだと思うんです。ウリセスと絡むシーンも“それだけ”ではなくて、その先にある大きなポイントのための通過点だと思っているので・・・。物語の過程の一つと思っています。