――演出家が蜷川幸雄さんということでよく“コワイ方”という噂を聞いたりしますが(笑)、ご一緒されていかがですか?
凄く素敵な方です。確かに、言葉使いがキツイこともありますけど(笑)。この前も他の役者さんと、「蜷川さんは、お客さんの代表だよね。」って話ていたんです。全体を客観的にみて的確なことを言って下さるし、すぐイメージが浮かぶように伝えてくれます。現場でも、ゾクゾクするんですよ。映画を観ているようなセットの展開だったり、この独特な世界を蜷川さんと皆でちょっとずつ作り上げていく中にいられることが、凄く幸せです。
――大変なことはありませんか?
お腹から声を出すことが、こんなに大変なのか!って実感しています(笑)。腹筋が筋肉痛になるくらいで・・・。口先だけではなくて、お腹から声を出す特訓をしなくちゃと思っています。声の出し方次第で、伝わり方も全然違うと思うので・・・。

――歌もあるそうですが、気持ちを歌で表現するというのは難しいのでは?
そうなんですよ。この前、中川さんとアンサンブルで歌った時に、「なんでそういう動きで、そういう歌い方なのか分からない。」って言われて(笑)。その時に、『これは歌じゃなくて、台詞の一部なんだ!』って気がついて、中川さんとディスカッションしながら歌い方を確認しました。音程やリズムももちろん重要なんですけど、歌と心情がリンクしていて、演じててもキュンとするくらい凄く素敵な曲なんです。
――注目してもらいたいところは?
異世界にどっぷり浸かってもらいたいです。音楽も色も作りも、南米の血の濃さというか人間臭さというか・・・、今までの生活では聞いたり観たりしたことのない世界が広がっているので・・・。観た人にしか伝わらないかもしれないです(笑)。
――特に観てもらいたい人は?
五感にも六感にも刺激が欲しい人に(笑)。刺激を求めてる人には是非観てもらいたいです。

――美波さんのプロフィールを拝見したところ、美波さんが描かれた絵や写真がありましたが、個展を開きたいとか、そういう思いはないんですか?
個展というよりも、空間を作りたいです。それが小さい場所でやるか、舞台でお芝居をするのか、映像なのか、まだ分からないですけど、いつかはやりたいですね。お芝居で言うなら、フランスやヨーロッパの演出家さんや役者さんとやってみたいんですけど、その前に日本のものを吸収しておかないといけないので(笑)。あと、夢であり目標なんですが、何か一つテーマを見つけたいなと思っています。そのテーマから、洋服を作ったり、空間を作ったり・・・。そのテーマを見つけるために世界中を回りたいなぁと(笑)。
――プライベートでやりたいことはありますか?
車の免許を取ったので、ヨーロッパやアメリカを車で回りたいですね。
――海外を転々とドライブしたいと。
でも、ちゃんと目標は決めて行きたいですね。『サイドウェイ』という映画知ってますか?男性が二人でワインを求めてヨーロッパを旅する話で、飲酒運転ばっかりだったけど凄い素敵で!飲酒運転はしないですけど、そういう旅をしてみたいです(笑)。
――最後にファンの方へメッセージをお願いします。
自分のHPを立ち上げて、今まで描き貯めていた絵や写真の作品を掲載するので是非見ていただきたいのと、舞台『エレンディラ』も今までに味わったことのない世界を感じることが出来ると思うので、是非劇場まで足を運んでいただけると嬉しいです。