――デビューのきっかけは?
母と買い物に行ったときにスカウトをされたのがきっかけです。 その時思ったのは、“東京の人は知らない人でも普通に声をかけるんだなぁ”って(笑)。
――芸能界に憧れはありましたか?
誰もが思うような漠然としたものはありましたけど、その頃は、新体操中心の生活を送っていたので自分から芸能界に入りたいと思ったことはありませんでした。どうやったらテレビに出られるのかとか、芸能事務所があること自体も知らなかったし(笑)。だから、声を掛けてもらってチャンスがあるならやってみようかなと思い、芸能界に入りました。基本的に、なんでもやってみようと思うタイプなので。

――最初のお仕事のことは憶えていらっしゃいますか?
確かスチール撮影だったと思うんですけど、『笑って?』と言われて作った笑顔が、凄くぎこちなかった憶えがあります(笑)。後から写真を見て、“こんなつもりじゃないのに!”という顔で・・・、最初の頃は自分の写真を見るのがイヤでした。
――続けていくうちに、自分の出し方が分かってくるんでしょうね。
そうですね。高校入学と同時に東京に出てきたんですけど、それから本格的にお仕事をしたので上京する前は特に緊張してガチガチでした(笑)。
――藤澤周平さん原作の映画『蝉しぐれ』が初映画出演となったわけですが、出演が決まったときはいかがでしたか?
当時は全てが初めてだったので、どれだけ凄いことなのか全く理解していなく、『出演が決まったよ!』と言われたときも、「あっ、そうなんですか。」って(笑)。だから、演じる前からプレッシャーを感じることはなかったんですが、やはり現場に入ると凄く緊張しました。何処に立っていれば良いのかもわからないし、周りにはベテランの役者さんやスタッフさんがいて、最初の頃は現場に入る度に緊張してお腹が痛くなってました(笑)。
――初めての映画が有名な作品なだけに、それは緊張しますよね。
季節ごとに撮影を行っていたので撮影期間は1年間だったんです。最初の頃に撮った秋、冬は必死に着いていく感じだったんですけど、一番長く撮影をしていた夏の頃には、監督が仰ったことを自分なりに考えて演じられるようになり、現場に居ることが楽しくなりました。恥ずかしいお話なんですけど、この撮影が終わってから女優さんの仕事をちゃんとやっていきたいと実感した作品です。

――この作品で女優の面白さを実感したと。
映画は、とても多くの人が関わって作られていくんだということを知って素敵だなって思いました。みんなそれぞれにこだわりを持って、それを全力で出し合い一つの作品を生み出していくのって凄くないですか?大人が必死になって一つのことに打ち込んでいく様子が好きだし、私もそこに居られることは幸せなことだと思います。
――今までお仕事をされてきた中で辛かったと思ったことは?
えっ(笑)!?大変だったこと・・・、自分が不器用な性格だからかもしれませんが、うまく自分自身をコントロールできないことがあります。上手くいかないと凄く落ち込んで不安になったり、起伏が激しい部分があって。好きでやらせてもらえているので、幸せなんですけど、それでも落ち込むこともあったり、その時にどうやって自分と向き合っていくかが今後の課題です(笑)。
――やっていて良かったと思う瞬間は?
観てくださった方から、色々な感想をもらえたときは“やっていてよかったなぁ。”って思います。私が出ている作品を観て、何かしら感じてもらえたことが嬉しいし、大きなことはできないですけど、作品を通じてその人に影響を与えられたということを目の当たりにした時にやりがいを感じます。あと、私が考えていなかったような反応が返ってきたりもするので面白いですね。