――今まで沢山のお仕事をされてきたと思いますが、今までで一番キツイと思ったことは何ですか?
色々な経験をさせてもらいましたけど表裏一体で、作品が成功すれば、辛かったことも良い思い出になるんですよね。 映画『252-生存者あり-』が現在公開されているんですけど、あの撮影が一昨年の10月から12月に撮影で、本当に極寒でした。毎回、水に浸かって・・・(笑)。クランクアップした時も水田監督から水中で花束をもらいました、“水中クランクアップ”ですよ(笑)。
――それは辛そうですね(笑)。
でも、一番辛いのは精神的な辛さかな・・・。
――それを打破する秘訣はありますか?
これは、どんなことにも通じることだと思うんですけど、負けないことじゃないですか?この前、『ケータイ捜査官7』でも共演した高野八誠くんとお酒を飲みながら話をしていたんですけど、僕がデビュー10年目、八誠くんはもっと長く俳優としてやっていて、色々な方と一緒にお仕事をしてきてますけど、10年経っても続けている人は極僅かなんですよ。それで、八誠くんと“生き残っている人と居なくなってしまった人は何処が違うか”という話になったんですけど、最終的に僕も八誠も同意見だったことは、負けない、諦めないこと。どれだけ相手の演技が上手かろうと、自分の望んでいる状況じゃなかろうと、自分を持って続けていれば結果として絶対残ると思っています。
――それは私たちにも言えますね。
スポーツと同じで、一試合負けたとしてもシーズン通すと勝ってることがあるんですよ。だから、短いスパンで物事を見ないようにしています。

――さて、絶賛放送中のドラマ『ケータイ捜査官7』にご出演されていますが、まず最初に台本を読まれたときのご感想は?
台本を読んだ段階では想像がつかなくて、正直「これは成功するのかな・・・。」と。でも、映像を目の当たりにして、新しいなと思いました。 最初に、セブンというキャラクターを見て、たぶん皆は『カワイイ』と感じたと思うんです、放送の回によっては切なかったり。今まで生きてきた中で、携帯電話に切ないという感情を持ったことがありますか(笑)?
――ないですね(笑)。
それを可能にしたのは、VFXの技術やストーリーの設定や番組スタッフの技術があったからこそで、あんなに無機質だと思っていたものが動き回る様子は凄いなぁと。最初から勝算があって創られているんだなと思いました。
――その映像技術に対して、もちろん皆さんは演技をしていくわけですよね。実際には無いものに対して演技をするというのは難しいのでは?
もちろん難しいですけど、気にし過ぎて困るというほどではないです。ドラマや映画で、電話のシーンはよくありますけど、実際に電話が繋がっているなんて100%ないですし。イメージを膨らまして演技すれば電話だったら本当に繋がっているように見えるし、それと同じでセブンやサードも実際にいるように見えると思います。もちろん、CG部の方の技術とアドバイスを借りて。
――松田さん演じる桐原大貴ですが、演じるにあたり注意していることや心がけていることはありますか?
最初は桐原という人物について頭の中でイメージを固めていたんですけど、回を重ねていくうちに冷静でクールな桐原から、だんだんお茶目な部分が出てきてるので、自分のイメージに凝り固まるのではなく、桐原という人物の芯は振れないように、遊びながらストーリーの流れに合わせようと思っています。 押井守さんの脚本の回では、出前が来ないことに桐原は激怒してましたからね(笑)、そういうキャラじゃないはずなんですけど、そんな遊びがあっても良いんじゃないかなって。
――『ケータイ捜査官7』の今後の展開が気になるところなんですが、見所や注目してもらいたいポイントを教えて頂けますか?
幾度か、桐原がネットの世界を恨んでいるという色は滲ませていたんですけど、これから放送される回で、その要因や桐原の過去が明らかになるので・・・、それは必見です!だんだんと最終回に向かってますが、『ケータイ捜査官7』が少しでも好きな方は、これからの放送は絶対に見逃さないほうが良いですね。フォンブレイバーとバディそれぞれの関係が完結していく様子がラストは目白押しなので是非、観てもらいたいです。
――最後に、今後どのような活動をしていきたいと思っていますか。
30代に突入したので、20代に蓄積してきたものを出して、メモリアルな年にしていけたらなと思っています。