――映画『まくをおろすな!』がいよいよ1月20日(金)に公開となります。撮影を振り返ってみていかがでしたか?
楽しい思い出しかなくて、それが映画にも反映されていたらいいなと思います。コメディー作品なので笑えるところもたくさんあると思うので、明るい気持ちになっていただいて、撮影現場の楽しい雰囲気を感じ取っていただけたらなと思います。
――出演が決まった時のお気持ちを教えてください
映像と舞台を合わせた作品とお聞きして、そういう作品はあんまりなかったので全然想像がつかなくて、どんな感じになるんだろうって思っていたんですけど、歌とダンスと殺陣と盛りだくさんなのがすごく楽しみだなっていうのが率直な感想でした。
――台本を読んだ感想は?
台本を読んで、内容は理解したんですけどどんな風に映像が繋がっていくんだろうって思いました。モン太の役柄も一回読んだだけでは全然掴めなくて、何回も読んでいくうちにこうなのかなっていうのは書き出していって、明確にならない部分もあったので、そこはどうやって演じようか悩んだ部分もありました。
――その悩みはどのように解消したんでしょうか?
撮影に入る前に清水(順二)監督と稽古をする機会があったので、そこで色々解消していきました。モン太は実際男か女、どっちなんだ?というところもあってたくさん相談して、「あまり男性っぽく寄せなくていい、分かりやすく言うと『銀魂』の神楽ちゃんみたいな立ち位置でいいよ」っておっしゃったので、イメージしやすかったです。

――ここまでコメディーに振り切っている工藤さんはあまりイメージになかったです。モン太の最初の登場シーンもびっくりしました
あのシーンも、モン太が頑張って演じているっていうところをちゃんと出したいよね、ということでたくさん稽古しました。リアクションの早さとか大きさとか、ブン太と二人で掛け合うシーンとかもあるので、そこのスピード感とかも監督と話し合いました。
――演じる時に気をつけていたところはありますか?
私自身、女の子らしくなりすぎちゃうところがあるみたいで、ふとした時に出てしまうので立ち方とか座り方とか、普段の所作が女の子っぽくなりすぎないようにしていました。女の子らしく見えると、バディっていうよりブン太に守ってもらっているヒロインのようになってしまうので、そこは気をつけていました。
――役とご自身で共通点は?
あまりないですけど、唯一ここかなって思うのは不器用なところですかね。モン太だと演じることとか気持ちの整理をつけることとか、一生懸命やるけど上手くないところが不器用だなって思いました。私自身もダンスがすぐ覚えられなかったりするので、色んな面で不器用さは共通しているところかなと思います。
――本格的な歌とダンスは初めてだったと思いますが、やってみてどうでしたか?
ダンスは最初から苦手意識があって、しかも周りの出演者の方々が普段からダンスを踊られていたのでそこに入ってもなんとか浮かないようにっていうのだけを考えて一生懸命やっていました。
元々歌は好きで、今回は歌を歌うっていう意識ではなくて、お芝居をするのに近い感じでした。歌詞カードに「ここの言葉はこういう風に表現したい」とか「このフレーズはこういう気持ちを伝えたい」とかを細かく書いていって、レコーディングではそれを見ながら演じるような気持ちでした。
――そして殺陣にも挑戦されていますね
『魔進戦隊キラメイジャー』でアクションをやっていましたが、全然違いましたね。なかなか覚えられなくて、撮影がお休みの日も使って毎日練習したので、なんとか自信を持って観てほしいって言えるシーンになりました。しかも、モン太は身体を乗っ取られて戦う場面があるので、男性の型で戦わないといけなくて、重心の低さだったり、切り方も男性っぽく荒々しく大きく動かないといけなかったので、そこがちょっと難しいポイントでした。

――主人公の紀伊国屋文左衛門(ブン太)を演じた越岡裕貴さんの印象はいかがでしたか?
優しくて明るいお兄さんです。でも、これまでたくさん努力をしてきた方なんだろうなっていうのは感じていて……そういうことを越岡さんに伝えると「そういうのいいから!」って絶対言うタイプではあるんですけど(笑)。本当に周りを良く見ている方だなと思って、気遣いがすごくて安心させてくださいました。お芝居とか殺陣でも「とりあえず思ったように全力でやってみな、受け止めてあげるから」ってスタンスで安心させてくださって、そこがお兄さんだなって思いました。
――撮影中は越岡さんとどのような話をされたんですか?
台本を見て「このシーンはこういう風に演じたいんですけど」って話しながら読み合わせをしたりとか、撮影の合間ではあっちむいてホイとかしたりして、仲良くさせていただいて、近い距離感でお話させていただきました。
――清水監督はどのような方でしたか?
「良いものを作りたい」とおっしゃっていて、すごく親身に、一緒に役のこととかを考えてくださったのですごくありがたかったです。作品に対してもキャラクターに対しても愛を持って接してくださる方です。