――駒井さんご自身はこれまでぬいぐるみとの思い出はありましたか?
ぬいぐるみはすごく好きで、青森の実家にもありますし、今住んでいる家にも相当あります。昔から人形遊びが好きだったこともありますし、ちょっと相棒みたいな感じもあって、青森から東京に通っていた時も、今地方に撮影に行く時とかも一匹連れて行ったりします(笑)
――連れて行くぬいぐるみはいつも同じなんですか?
いっぱいいるのでローテーションなんですけど、手のひらに乗るぐらいの邪魔にならないサイズ感で、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』の撮影も京都だったので、ホテルでお留守番させてました。「お疲れ~。今日も帰ってきたよ~」って言ったり(笑)
――まさにぬいぐるみとしゃべってたんですね(笑)
やっぱりホテルは寂しいので、心の支えみたいな感じでした。
――ぬいぐるみはどれくらい持ってるんですか?
今は15から20は持ってます。実家に帰ったら多分もっとですね。ディズニーランドで売ってる大きいプーさんもいてベッドを半分奪われてるんですけど、大きすぎて朝起きたらたまにベッドからプーさんが落ちてます(笑)
――撮影の中で使ったぬいぐるみの中で、印象に残っているのは?
やっぱり麦戸ちゃんのぬいぐるみですね。麦戸ちゃんが部屋に籠ってしまうシーンが初日の撮影で、色々準備はしてきたもののまだ現場に馴染めていなくて、初日にあのシーンか……って想いがすごくあったんですけど、あのぬいぐるみを現場で初めて見た時にすごく印象が強くて。この子を見てるだけで、他のことを考えなくても大丈夫だなと思いました。初日に部屋のシーンをずっと撮ってたんですけど、この子がいるだけで深く考えずにお芝居が出来ました。
――そのシーンも注目になるかとは思いますが、駒井さんの思う映画の見どころを教えてください
この映画は色んな優しさの在り方を教えてくれる映画だと思うので、どの優しさにも正しいとか悪いとかは基本無いんですよ。だからこういう優しさの在り方もあるし、こういう目線もあるんだ、ってそういうことを考えながら、○×付けずに見ていただけたら良いなと思います。

――ここからは駒井さんご自身についてもお伺いします。芸能界に入ったきっかけは中学生の頃のスカウトだそうですが、元々芸能界に興味はありましたか?
ありました。ずっと憧れていて雑誌を読んだり、ドラマが好きだったのでドラマを見て良いなって思っていました。あとは、小学校の時に学芸会みたいなのがあるじゃないですか。あれで劇をやったんですけど、私の学校の人数が多かったので、役のオーディションをしたんです。一つの役に4人いたりして、一幕と二幕で演じてる人が違うんですよ!
――新しいダブルキャストみたいな感じですね(笑)
そうです!その時に初めてセリフっていうものを読んだんですよ。オーディションを受けて、一番やりたかったヒロイン役で、一番やりたい幕に出られたんです!その時に楽しくなっちゃったんですよね。劇の練習もすごく一生懸命やって、今まではドラマとかを見て楽しかったけど、出たい、お芝居したい、って感じるぐらい楽しくて、色んなきっかけがあると思うんですけど、これも一つのきっかけだったんじゃないかなって思ってます。
――芸能界に入って、色んな作品に出演されていますが実際に演じてみていかがですか?
楽しいと難しいって感じです。でも難しいからこそ追及のし甲斐があるというか、良いお芝居が出来るようにもっともっと上手くなりたいなと思います。
――これまで出演した印象に残っている作品は?
いつもこういう時に挙げるのは『いとみち』なんですが……高校1年生の時に撮影した『名前』という津田寛治さんとダブル主演の映画があるんですけど、撮影が上京して半年経ってないぐらいの時だったんですよね。まだ東京の地に足がついていない感じとか、東京の学校に通って周りが標準語で違和感もあって、すごく不安定な時期に撮ったんですけど、すごく子どもでまだお芝居のこともよく分かってないけど、監督に色々とレッスンしていただいてがむしゃらにやってる感じが一番あった時期だなと思います。
――今見ると少し恥ずかしい感じですかね?
恥ずかしくてもう見れないですね(苦笑)。多分1回見たぐらいだと思います。

――でもそういう経験も経て今があるわけですね。では映画『いとみち』のお話も少しお伺いします。地元・青森が舞台の作品ということで、お話が来た時の心境はどうだったんですか?
『いとみち』は原作があるんですけど、青森が舞台の小説だったので、地元ですごく有名だったんですよ!図書館に見出しが貼られて飾ってあるような本だったので、中学生の時に1巻だけ読んでいたんです。その時には芸能界を目指していた時期でもあったので、青森が舞台の作品で津軽弁だし、もし私が芸能人になったらこれをやりたいって思っていて、でも原作では身長がものすごく小さいと描かれているのを知っていたので、お話をいただけた時は「え?良いの?」って。夢が叶ったけど私で良いのかなっていう疑問も少しありました。映画の脚本では身長が高い設定になっていたり、小説とはまた違う面白さがあって、すごいなと思いました。
――『いとみち』で第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 新人賞と第35回高崎映画祭 最優秀新進俳優賞を受賞されましたが、周りからの反響はあったんでしょうか
色んな人が「『いとみち』見たよ」って言ってくれるのがやっぱり嬉しかったです。自分自身でも、今まで演じた役とちょっと違うなって体感があったので、それを見た人も感じ取ってくださってるっていうのも伝わりました。最初は津軽弁が強いので、見る人を選んでしまうんじゃないかと思ったんですけど、東北の方じゃなくても色んな地域の方が見て面白いって言ってくださったのを聞いて、良い映画って言葉とかにかかわらず届くものは届くんだなって発見もありました。
――駒井さんにとって『いとみち』はどのような作品になりましたか?
撮影が8、9月で、ちょうど20歳直前だったんですよ。高校生を演じられるかって不安も結構あった時期だったんですけど、10代の自分の持っているものを全部集結させたような作品でした。
――そして地元・平川市のPR大使も務めていますが、ぜひ魅力を語っていただきたいです
いいんですか?(笑)。青森って基本的にりんごが有名だったり、桜が有名だったり、ねぶたが有名だったり、地域によって有名なものが似ているんですよね。ただ、平川市は独特の雰囲気があって、庭園文化があるので庭が綺麗な家も多くて、建物も結構趣があるものが多いんです。平川市の方もそこを推しているんですよね。実際に行ってみるとノスタルジックな感じがすると。だから、美味しい食べ物もいっぱいありますけど、写真を撮りにいくととても楽しい街だと思います!
――PRサイトやInstagramにも素敵な写真がたくさん載っていますよね。平川市の良さが伝わります
今は桜が綺麗で、4月の終わりが一番満開の時期になってます!夏のねぶた祭りもすごく盛り上がるので、ぜひ皆さん来てください!
――今後挑戦してみたいお仕事や演じてみたい役はありますか?
興味関心が旺盛なタイプなので、今パッと3つ浮かんだのが……。まず、韓国の文化がすごく好きで、音楽や語学とか映画もドラマも好きなので、韓国のカルチャーに関係する仕事をしてみたいです。あとは音楽が好きなので、歌にも挑戦してみたいですね。あと演じてみたい役はいっぱいあるんですけど、コメディをやってみたいです!これまで明るい役を演じたことはあるんですけど、コメディ作品で人を笑わせられるような役を演じたいなって思います。
――ありがとうございます。それでは最後にファンの方々へのメッセージをお願いします
いつも応援ありがとうございます。SNSもそうですし、お手紙とか、色んな場所で応援のコメントをいただくと本当に勇気づけられますし、頑張ろうと思えます。もっともっと新しい姿を見せて行けるように頑張るのでこれからもよろしくお願いします!


写真:川島彩水、ヘアメイク:勝部絵理奈