――ミュージカル『浜村渚の計算ノート』に出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください
お話をいただいてすぐに原作の小説を買って読ませていただいたんですけど、まず“数学”というテーマで女子中学生が色んな葛藤もありながらテロリストに立ち向かっていくという発想がすごく面白いなと思って。なので、これがミュージカル化した時にどういう世界観で数学の素晴らしさや面白さを表現していくのだろうと色んな想像が膨らみました。僕も出演者の一人として、数学って面白いんだぞっていうのをお客様に伝えられるような表現ができたらと、すごくワクワクしています。
――今作が舞台初出演となりますが、プレッシャーはありますか?
これまで映像をメインでやってきたので、これからどんどん勉強していかなきゃいけない部分ではあると思うんですけど、諸先輩方に教えてもらいながら自分でも新境地を開拓する気持ちで、全力でぶつかっていけたらなと思っています。
――公演に向けて、何か準備していることは?
舞台だと発声と言いますか、歌もそうですし一つ一つのセリフのどこかが聞こえにくかったりすると全体のストーリーが理解できなくなってしまうので、お客様にその時何が起こって、誰が何を言っているのかがちゃんと伝わることが大事だと思います。今はセリフの言い回しとかイントネーション、アクセントなど、どこが大事なポイントでどこを一番伝えなきゃいけないのかを台本を読み込んでいるところです。台本に線を引いて、何回も言って録音して聞いてみて、「ここはもう少しちゃんと言った方がいいな」という練習をしています。

――舞台と映像の違いはどのように考えていますか?
まだ本番が始まっていないので一概には言えないんですけど、やり直しが利かないところが舞台と映像の違いだと考えています。もちろん映像でもやり直しができるからといって手を抜いたりとかは一切無いんですけど、やっぱり舞台はどこか一つミスをしてもそこで止めることは出来ないので、一瞬一瞬に懸ける想いや熱量は舞台の方が大きいのではないかと。そこは自分も覚悟して、それに向けた稽古や準備をして心構えをより一層強く持たなければと思っています。
――初舞台ということで、ご家族の方々からアドバイスはありましたか?
姉の天翔愛は舞台に出演して主演を経験しているのでたくさんアドバイスをもらったんですけど、頼んでもないのに「本番に向けてこれをした方が良い」「こういう心構えで行った方が良い」とか、ちょっとおせっかいなぐらい色々教えてくれて(笑)。ありがたい部分もありました。
――藤岡さん演じる瀬島の役どころ、役についての印象は?
アメリカ帰りの若手刑事で、自信たっぷりな反面、皆との絡みの中ではコミカルで言動もおちゃらけたりしているんですけど、素直が故に周りからちょっといじられたり可愛らしいなって思うところがあるので、そこは意識しながら演じていこうかなと思っています。
――現時点で役作りは?
(瀬島は)テンションがずっと高めなので、自分の中でも今のは少しオーバーにやりすぎちゃったかな、ぐらいやった方がきっと瀬島というキャラクターは立つのかなと考えています。楽しみです!

――ご自身と役で似ているところはありますか?
正直すごく似ているかと言われたら全然似てないんですけど、瀬島は中身が素直で少年らしい心を持っている部分があると思っていて、僕も周りから「素直なんだね」と言われることが多いので、その部分は共通しているのかなと。
――ミュージカルだと歌唱シーンもあると思います。歌うことについてはどのように考えていますか?
大きな舞台で、人前で歌うというのも初めてですし、今まで観客としてミュージカルや舞台で役者さんたちが歌っているのを観て、ものすごくのびのびとしていて気持ちよさそうだなと思っていたので、次は僕が舞台に立つ人間として、気持ちよくのびのびと歌えたらいいなと思います。
――まだ稽古は始まっていませんが(※取材は6月上旬)、楽しみにしているところは?
稽古から本番にかけて共演者の皆さんとお互い助け合ったり、演じる上で絡みもあると思うのでいかに絆を深めていけるのか、皆さんと一緒にお芝居をできるのが楽しみです。

――共演者の皆さんの顔ぶれをご覧になって感じたことは?
僕を含む警視庁の対策本部の一人で、武藤役を演じる立石(俊樹)さんが、姉が出演した『ロミオ&ジュリエット』にティボルト役で出演されていて、そこで初めて舞台に立っている立石さんを見たんですけど、ものすごくかっこいいなと思ってそれ以来個人的にずっとファンなんです。なので、今回このお話をいただいた時に、同じ刑事チームの一員として立石さんがいるというのを聞いてとても嬉しかったです。自分が一緒にお芝居できる機会が来るなんて夢にも思っていなかったですし、個人的に嬉しくて驚きました。
――立石さんにはお会いしましたか?
実はまだお会いしていなくて、今日初めてお会いする予定なんですけど…だからものすごく楽しみです!
――立石さんに伝えたい想いはありますか?
それこそロミジュリのティボルトのことをすごく言いたいです!
――主演を務める浜村渚役は、オーディションで桑原愛佳さんに決定しました。桑原さんとのやり取りも多いと思いますが、どのように臨みますか
多分役と実年齢が同じくらいだと思うんですけど、このお話の中で瀬島は渚ちゃんに全部自分の上を行かれて「なんだと!」ってなる感じで、渚ちゃんとの掛け合いが一番コミカルだしお客様にも楽しんでいただける部分ではあると思うので、桑原さんと一緒に掛け合いの面白さやテンポ感を作っていけたらと思います。