――来年2月には舞台『インヘリタンス-継承-』の出演が決まっています。お話が来た時の心境は?
まず公演時間が6時間半あるということにただ驚きました。ゲイコミュニティという題材も初めてですし、芸術劇場プレイハウスも初めてで、初めて尽くしのお話だったので、大丈夫かなってすごい不安で。6時間半というのも聞いたことないしやったこともなく、2作品覚えるくらいの尺なので正直不安の方が大きかったです。ただ、もうすぐ稽古が始まるんですけど、近づくにつれて楽しみの感情の方が勝ってきています。とにかく公演時間が長いので、お客様が先の展開を気にしながら楽しめるように、最後まで演じたいと思っています。
――どう役に向き合うか、役作りや現状で考えていることは?
知り合いにゲイの方がいるので色々と話を聞いて、自分の感情を近づけていけたらなと思っています。いわゆるストレートと言われる人たちには分からない感情があるかもしれませんし、似ている部分もあると思います。ただ単に好きになる相手が同性なだけであって、異性を好きになる感情と同じだと思うので、ヘンリーとして愛せるようにと考えてます。

――若き日のヘンリー役を演じますが、同じくヘンリー役の山路さんの印象は?
まだお会いしていないのですが、僕の経験上、大御所の方は皆さん優しくてフレンドリーな方ばかりだなと思っていて、自分の親父含め。なので、山路さんもそうであることを願っています(笑)
――役の擦り合わせのために稽古場でコミュニケーションを取ることもあると思います
普段の山路さんのこともちゃんと観察して、癖とか、誰が見てもヘンリーの若い頃だって分かるようにコミュニケーションを取れたらなと思います。
――メインビジュアルは登場人物たちがパズルのように組み合わさっているかなりインパクトがありますが、撮影はいかがでしたか
出来上がりを見てかっこいいなと思いました。撮影でこれまでも脱がされることが多かったんですけど、今回もでしたね(笑)
――物語でも裸を見せるシーンがありますか?
まだ何とも言えないんですが、そういうシーンがあっても大丈夫ですか?とは聞かれています。あるのかないのか分からないですけど、ちょっと絞って、仕上げないとと思っています。
――公演に向けての意気込みを聞かせてください
なんといっても6時間半あるので、言い方が合っているか分からないですけど、お客さんも戦うというか、時間と集中力と戦うことになると思うので。僕も戦う気持ちで、作品をお客さんの心に届けられるように響くように、しっかり稽古をして本番をお届け出来たらなと思います。

――父である野村将希さんとお芝居や仕事の話はしますか?
基本的にはしないです。お互いあまり喋らないタイプで。性格的に似ているところがあるのでほとんど喋らないですね。でも見てくれてはいるので、たまに「よかったじゃん」みたいな。「あの取材良かった」とは言われるんですけど、その時も「ありがとう」で終わりです。普通に嬉しいんですけど、親父にアドバイスを聞くってことは特にないですし、向こうはどうなんですかね?言いたいのかな?でもちゃんと見てはくれています。
――理想の俳優像は?
理想はコミカルな役でもシリアスな役でも、どんな役が来ても幅広くできる役者です。カメレオンじゃないですけど。プラス、この役は野村祐希だよね、こういうキャラは野村祐希だよねって言われるような役者になるのが理想ですね。今はまだまだそんな域に達していないんですけど。
――2023年はどんな1年になりましたか
今年は年始から作品の撮影に入らせてもらって、そこから色んな作品に携わることができました。色んな人とも出会えたし、色んな作品にも関われて、やったことのない役もできて、年始からずっとワクワクしていた気がします。成長できているなって実感がありました。
――来年の目標は?
まずは『インヘリタンス』をやり切りたいです。あとはやっぱりメインのキャラになるというのがなかなか達成できていないので、来年こそは映画でもドラマでも舞台でも、ゲストとかではなく、メインの役柄を勝ち取ることが目標です。
――プライベートで挑戦したいことはありますか?
スカイダイビングとかですかね。バンジージャンプもやったことがないので、そのスリルを味わいたいというか。スカイダイビングは皆やりたがらないですけど。誰に聞いても嫌だって言いますよね(笑)。誰かスカイダイビングに対して前向きな人がいたら行きたいなと思っています。
――最後にファンの方々へメッセージをお願いします
今年も応援ありがとうございました。来年は舞台から始まりますが、これまでなかなかファンの方々に会う機会とか、目の前に立つ機会があまりなかったので、やっとこの舞台で、肉眼で見られる距離にいけるので、ぜひ皆さん『インヘリタンス』に来てください。そして、今後とも応援よろしくお願いします。


撮影:秋葉 巧、ヘアメイク:小池裕輔