――デビューのきっかけは?
子供の頃から芸能人になりたいと思っていて、中学3年生の夏頃に親には内緒でオーディションを受けに行ったんです。親には、友達の家に遊びに行ってくると嘘をついて(笑)。周りの皆は、受験で忙しいところ、私は受験そっちのけで“芸能界に入るぞ!”と決意していました。
――子供のころからの夢だったんですね。
はい。でも、私が合格したかったオーディションには落ちてしまったんですよ。合格した人には何日後かに連絡が来るというものだったんですが、連絡が来なくて。“落ちちゃったんだぁ。”と落ち込んで、星空に向かって『私はデビューできないのかしら・・・。』なんて、話しかけたりしてました(笑)。でも、その後にオーディションの返事が来て、「このオーディションには不合格でしたが、歌のオーディションがあるので受けてみませんか?」という案内を頂いて。

――またチャンスが来たと。
そうなんですよ!なぜ歌手のオーディションが来たかというと、その落ちたオーディションで一発芸を披露しなくちゃいけなかったんです。参加していた人達は、「演歌歌います!」とか「憲法が言えます!」とか「アクロバットします!」とか、中には「耳掻きが得意です!」とか言って、審査員の耳掻きをする人がいたり(笑)。でも、私は何も用意してなかったので、アカペラでご機嫌ソングを歌ったんです。
――ご機嫌ソングって(笑)、ルンルン♪な感じの歌ですか?
そうそう(笑)!そんな感じのルンルン♪ソングを歌ったら、印象に残ったのか「もう一度オーディションに来てください。」と言われ、参加してみたら歌手のオーディションに合格したんです。それから、新人開発みたいなところでお世話になることになりました。
――では、最初は歌手になりたいという思いだけではなかったんですね。
“芸能人”というか“有名人”になりたくて(笑)。

――その後、電気グルーヴの石野卓球さんにプロデュースされることになりましたが、その経緯は?
開発部でお世話になってから、色々なライブハウスの楽屋に入れるようになったんです。当時大好きだったモダンチョキチョキズさんの楽屋にもお邪魔して、「マリちゃ~ん!」と騒いでいたら、毛玉だらけの服を着たおじさんがやってきたんですよ。「君、面白いから今度事務所に来る?」と言われて行ってみたら、その方はソニーの偉い方だったんです(笑)。その方から、誰に会いたいか聞かれたので「電気グルーヴさん!」と即答したら、本当に会えることになって。
――とんとん拍子に進んでますね。
その時、私は何も考えずに制服のままで『芸能人に会える!』という気持ちでワクワクしながら行ったんです。そして石野さんに実際にお会いしたら、興奮のあまりペラペラ話しすぎてお腹がすいてしまって。それから、石野さんと一緒にうどんを食べました(笑)。
――物怖じしないですね(笑)。
でも、後から聞いたらそれがオーディションだったんです。その時には石野さんが女の子をプロデュースするプロジェクトが始まっていて、女の子3人くらいに会い、その中から石野さんが決めるということになっていて。 そんなこととも知らず、制服を着て、腕やカバンにはおもちゃをガチャガチャ着けて、すっぴんにホッペだけチークを塗って行ったんですけど、石野さん曰く、「どこの田舎のコが来たんだ!?」と思ってびっくりしたそうです。ヘンなコだと思ったみたいですよ、“このコ、変わってる!”って(笑)。